2014-01-01から1年間の記事一覧

「『人』でありたい。」 〜 シリーズ 今日も労基法5 〜

このお仕事をしていると、色々な使用者の方や従業員の方にお会いします。 色々な方から色々なお話を聞いて総じて思うことは、「やっぱりお互いがお互いを尊重して仕事をしていきたいよなぁ。」ということです。使用者と従業員という関係でもそうですし、従業…

「無理強いは罪です。」 〜 シリーズ 今日も労基法4 〜

海上自衛隊横須賀地方総幹部は9月1日、海上自衛隊の護衛艦で今年初めに乗組員の30歳代の男性隊員が上司のいじめを苦にして自殺したと発表しました。 発表によると、隊員は上司に私物の携帯電話を隠されたり、殴るなどの暴行を受けたりする日常的ないじめを受…

「労働条件相談ほっとライン」開設!

「今日も労基法」のシリーズの最中ではございますが、早めにお伝えしたいことがありますので、シリーズを中断してお伝えします。この9月1日より、厚労省が「労働条件相談ほっとライン」を開設しました。開設期間は来年(平成27年)3月31日までとなっておりま…

「守ってくれて、ありがとう。」 〜 シリーズ 今日も労基法 3 〜

「何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」上に記した条文は、労働基準法第6条です。労基法の中で、「何人」という言葉が使われているのは第6条のみとなります。全ての人(個人、団体、私人、公人全…

「素直な気持ちで信じていたのに・・・!」〜 シリーズ 今日も労基法 2 〜

先週末の「残業代」関係のトピックは「たかの友梨ビューティークリニック」ほぼ一色でしたね。 こちらの内容ですが、同社の仙台店が仙台労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが8月22日に判明したというものであり、その理由は大きく2つあります。 1…

「あなたの本音が知りたくて。」〜 シリーズ 今日も労基法 1 〜

先日、とある人から「労働基準法の中で一番好きな条文は何条ですか。」と質問を受けました。毎日のように労基法の色々な条文を読んでいる私ですが、そのような視点で条文を見たことがなかったために、その時は回答することができませんでした。 しかし、労基…

雇用保険の加入確認を!

会社を辞めたことのある方で、退職後にハローワークに行って所謂「失業給付」を受給されたことのある方は多いと思います。 皆さんが受けたであろう「失業給付」は、恐らく4週間に1回ハローワークで失業の認定を受けることによって受給できるもので、雇用保…

「有給休暇を取得したのに、『欠勤控除』になっています。」

産経ニュースwestによりますと、大阪労働局は8月8日に、近畿4府県で展開するマッサージ店「Relax」の女性従業員に残業代や有給休暇取得時の賃金を支払わなかったとして、労働基準法違反容疑で、運営会社「リラックス」(大阪市)のグループ会社2社と両社の女…

労働者代表の方!労使協定は内容の確認を!!

「労使協定」と聞くと、「36(サブロク)協定」(時間外・休日労働に関する協定届)が頭に浮かぶ方が多いと思います。実は、「労使協定」は「36協定」以外にもたくさん存在し、その協定の締結でもって法律での規制が免れ、様々な働き方が可能となってい…

40時間?44時間??残業代が変わってきます。

「時間外手当」、「残業代」というと、1日に8時間を超えて働いた場合や、深夜や休日に働いた場合に支払われるというイメージがありますが、実は、法定休日以外などに労働し、1週間に40時間を超えてしまった場合には(1日に8時間を超える部分の時間外を除きま…

最低賃金に注目。

7月29日に、厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会が、2014年度の地域別最低賃金について、全国平均で時給16円増の780円とする目安をまとめました。 発表された内容によりますと、全都道府県を4ランクに分けてある各ランクの引き上げ額の…

「バイトだけど・・・。バイトなのに!!」

街中を歩いていて、スーパーやコンビニなどに貼ってある「アルバイト募集」などの紙を見るたびに、「深夜時間帯の時給が割増賃金になっているか」や「募集対象が男女いずれかになっていないか」などを気にしてしまいます。職業病でしょうか・・・。「ブラック企…

「誓約書」という鎖。

関西地域の介護会社「寿寿」(大阪府東大阪市)が、フィリピン女性を介護職員として採用する際に、「私が死んでも会社の責任は問いません。権利は永久に放棄します。」という誓約書を提出させていたことが、2014年7月12日の共同通信の取材でわかりました。共…

「社長に、突然『髪を切れ!』と言われました。」

美容院で聞いたお話です。とある女性のお客様が、突然髪をバッサリと切ってショートにしたいと言ってきたそうです。ご本人曰く、「とても不本意だ。」とのこと。美容師さんが詳しく事情を聞いてみると、そのお客様は窓口の業務をしているそうなのですが、あ…

会社から休むよう指示された場合の賃金は?

2014年7月14日に、社員とパート従業員計923人に2億5,500万円の未払い賃金があったと発表をした「餃子の王将」を展開する株式会社王将フードサービスですが、昨年9月3日に「金沢片町店」(金沢市)で客が全裸になって店内で写真を撮影したため、同月10日に同…

「管理監督者」だけじゃない!?他にもある??残業代が出る「名ばかり○○」!

「管理監督者は残業代が出ない。」という話を聞いたことがある方は多いと思います。実際には、 「会社では『管理監督者』とされているが、実態はどうか。」という部分が争点となり、「実は『管理監督者』ではなく、残業代の発生の対象者となる」というケース…

残業代発生の有無や如何に!?「変形労働時間制」の罠。

現在、当事務所の「残業代請求相談.com」を近日中にリニューアルしようと、サイトの内容を見直しているのですが、特に「変形労働時間制」の説明文などを作成していると、改めて複雑でわかりにくい制度だと感じてしまいます。 この制度で働いていて、「うちは…

「解雇」のエトセトラ。

仕事上、離職票(雇用保険被保険者離職証明書)を見ることが多いのですが、じっくりと見るたびに「『離職理由』の選択肢ってたくさんあるなぁ。」と感じます。 でも、まだまだ終身雇用が色濃い日本において、「離職する」というのは人生でとても重大なことで…

「残業時間」の数え方。・・・いわゆる「残業」ってどこからですか?

先日、「所定労働時間」と「法定労働時間」の違いを説明する機会をいただきました。説明させていただいて気がついたのですが、これ少々ややこしいですよね。 今回は、この件について記載していきます。 「労働時間」には「所定」と「法定」があります。そし…

「育休がとりにくいのです・・・。」 〜シリーズ 社保と残業と私 4〜

今回のシリーズの中で、今後の日本にとって、経済の発展のためにも年金の受給額のためにも女性の就労が必要不可欠になってきていると何度か記載していますが、女性も男性と同じように働けるのかと言うと、必ずしもそういうわけにはいきません。 6月25日の日…

「答え」は給与明細の中に・・・!? 〜 シリーズ 社保と残業と私 3〜

2014年6月23日のYahoo!ニュースに、東京都葛飾区の運送会社の社員が同社を相手取り「固定残業手当」を無効とする訴訟を起こしたという記事が出ていました。記事によりますと、訴えを起こした社員は、多い月では206時間を超える残業をしていたにもかかわらず…

社会保険の未加入は自己責任なのでしょうか・・・。 〜 シリーズ 社保と残業と私 2〜

当事務所では数多くの労働問題を受けていますが、特に残業代請求事件の場合、証拠となる給与明細を確認している際に、依頼者の多くの方が社会保険(厚生年金保険や健康保険)に加入していないことに気がつきます。 勤めている会社が法人の場合、社会保険の加…

えっ?もらえる年金額って、こんなに少なくなるんですか?〜 シリーズ 社保と残業と私 1 〜

先日、厚生労働省が公表した公的年金の長期的な財政の8つのケースの見通しによりますと、ほぼゼロ成長が続き、女性や高齢者の就労が増えないケースでは、約30年後の平成55年度までに会社員世帯の年金水準は、政府が目標とする現役会社員の収入の50%を下回る…

月102時間の残業で営業停止に。

日経BP社の建設・不動産の総合サイト「ケンプラッツ」の6月13日の記事によりますと、国土交通省関東地方整備局は6月9日に鹿島道路株式会社を労働基準法違反による営業停止処分としました。鹿島道路では、2013年5月22日に広島営業所の事務職の社員が勤務中に…

「早朝仕事」にご用心!

昨年10月より、大手商社の伊藤忠商事が午後8時以降の残業を原則禁止し、代わりに午前5時から9時までの時間外手当の割増率を引き上げて朝残業を促すという新制度を試験的に導入しました。最近では、伊藤忠商事のように、夜の残業を禁止し代わりに早朝残業を推…

個別労働紛争の相談内容は、「いじめ・嫌がらせ」が2年連続トップ!

厚生労働省が平成26年5月30日に発表した「平成25年度個別労働紛争解決制度施行状況」によりますと、民事上の個別労働紛争の相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が2年連続トップで増加傾向にあることがわかりました。(今年:59,197件、前年:51,670件) 「個別労…

「過労死等防止対策推進法案」が可決。

長時間労働などによる労働者の過労死や過労自殺の防止を目的として「過労死等防止対策推進法案」が5月27日に衆議院を通過しました。今国会中には成立する見通で、公布後6ヶ月以内に施行されることとなっています。過労死防止法案は超党派による議員立法で、…

「固定残業代」、求人の77%が違法の可能性あり!− 京都府内の調査より。

2014年6月3日の京都新聞によりますと、労働問題に取り組むNPO法人や弁護士などでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」は3日、固定残業制度を導入する京都府内の企業求人のうち、8割近くが違法か違法の疑いが強いとする調査結果を発表しました。この調査は…

「荷積みの待機時間は労働時間」− 残業代未払いトラブルで2年分の支払い命令。

2014年5月14日の「物流Weekly」(物流・運送・ロジスティクス業界の総合専門誌)の記事によりますと、東京都内の事業者が、ドライバーから残業代の支払いを求められた事件で、東京地裁はドライバー4人の2年分の残業代、約4,300万円の支払いを命じたとしてい…

101時間の時間外で書類送検に。

今年の3月、西野田労働基準監督署が大阪のホテル阪神の総支配人と同ホテルの運営会社である阪急阪神ホテルズを労働基準法違反の疑いで書類送検しました。 昨年の8月に同ホテルの従業員が脳幹出血で死亡し、労基法違反が発覚しました。その従業員が死亡した直…