「過労死等防止対策推進法案」が可決。

長時間労働などによる労働者の過労死や過労自殺の防止を目的として「過労死等防止対策推進法案」が5月27日に衆議院を通過しました。今国会中には成立する見通で、公布後6ヶ月以内に施行されることとなっています。

過労死防止法案は超党派による議員立法で、過労死の実態の調査や防止策を求め、地方公共団体や事業主も協力するように促しています。
具体的な内容は、以下のとおりです。
・「過労死等防止啓発月間」の創設
・過労死の調査研究に関する報告書の国会への提出
・国民への啓発
・相談体制の整備
・過労死防止に取り組む民間団体の活動支援 等

この過労死防止法は、過労死に対し国に責任があることを初めて明記したものになっています。
国に調査・防止を求める一方で、企業に対する規制は盛り込まれていないため、本法律の制定だけでは企業に対する直接的な影響は生じず、改善へ大きな期待も望めないと考えられていますが、この法律により過労死研究が進み企業側の対策すべき義務も明確になってくると思われるため、今後は過労を原因とする労災認定が認められやすくなることが期待できます。

過労死について、ある小学生が作った詩があります。

「ぼくの夢」

大きくなったら、ぼくは博士になりたい。
そしてドラえもんに出てくるようなタイムマシーンを作る。
ぼくはタイムマシーンに乗ってお父さんの死んでしまう前の日に行く。
そして『仕事に行ったらあかん』ていうんや

(「過労死防止基本法制定実行委員会」のブログより)

この詩は過重労働からうつ自殺に至ってしまった父親(公務災害として認定)を持つ子供が小学校1年生のときに書いた詩です。この父親は市役所職員として毎日16時間、休みもなく仕事を続けた結果、うつ病を罹患し、自殺してしまいました。

当事務所では、数多くの労働問題のご相談を受けていますが、過重労働に関する労災についてはもちろんのこと、残業代請求の依頼者の方々につきましても過酷な働き方をされていることが見て取れます。

労働者が働いた分だけ賃金を支払うことは企業の義務です。同様に、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう配慮することも企業の義務です。
ご自身の勤められている企業は、きちんと義務を果たしていますでしょうか。

当事務所には、残業代請求や未払い賃金その他の会社とのトラブルについて、精通している弁護士がおります。
是非、経験豊富な日比谷ステーション法律事務所へご相談ください。