「有給休暇を取得したのに、『欠勤控除』になっています。」

産経ニュースwestによりますと、大阪労働局は8月8日に、近畿4府県で展開するマッサージ店「Relax」の女性従業員に残業代や有給休暇取得時の賃金を支払わなかったとして、労働基準法違反容疑で、運営会社「リラックス」(大阪市)のグループ会社2社と両社の女性取締役を大阪地検書類送検したとしています。

労働局によりますと、2社は従業員が所属する「リラックスマネジメント」と「リラックスステップ」で、取締役は全約60店舗の労務を一括管理しており、「慢性的な人手不足のため、賃金を支払わないことで有給を取得させないようにした」と容疑を認めているとのことです。

「残業代の未払い」は最近よく耳にする話題ですが、「有給休暇取得時の賃金の未払い」は頻繁に耳にする話題ではありません。「有給休暇取得」としながら賃金を支払わず、「欠勤扱い」をしていたということでしょうか。

ところで、「有給休暇取得時の賃金」とありますが、皆さんの有給休暇中の賃金はどのように計算をされているのでしょうか。また、皆さんは、有給休暇中の賃金がその月の給与明細でどのような扱いになっているか確認をしていますでしょうか。

労基法によりますと、有給休暇中の賃金については、次の3つのいずれかで支払うことができるとされています。

A.平均賃金
B.所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
C.健康保険法上で定める標準報酬日額に相当する金額

ただし、いずれを用いるかは就業規則等に定めることが必要です。また、「3」の場合は労使協定(労働委員会の決議を含む。)を締結することも必要とされています。

有給休暇を取得した場合、月給者の方ですと、給与は所定労働日数働いたことを前提として支払われているので、特に給与額が減らされていないはずです。日給者の方や時給者の方は、有給休暇を取得した日数は「休まなかった」ものとして、その日または時間分の給与が支払われているはずです。
もし「欠勤控除」や「その他控除」などの項目で給与が減額をされていたら、有給休暇中の給与が未払いになっている可能性が高いです。
給与明細の「控除」の項目を、一度ご確認ください。もし身に覚えのない「控除」がありましたら、担当の方か使用者に聞いてみてください。その「控除」、法律違反かもしれません。

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