最低賃金に注目。

7月29日に、厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会が、2014年度の地域別最低賃金について、全国平均で時給16円増の780円とする目安をまとめました。
発表された内容によりますと、全都道府県を4ランクに分けてある各ランクの引き上げ額の目安は、Aランク19円、Bランク15円、Cランク14円、Dランク13円としています。
関東圏ですと、東京・千葉・神奈川がAランク(19円)、茨城・栃木・埼玉がBランク(15円)、群馬がCランク(14円)となっています。

今回は、支払われている賃金が最低賃金額以上となっているかを確認するための計算方法をご紹介していきます。

順番1 最低賃金の対象となる賃金を確認する。
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。
(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2) 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

順番2 時間当たりの金額を計算する。
●月給の場合
 月給額(「順番1」で確認した賃金)×12ヶ月÷年間総所定労働時間
 ※年間総所定労働時間=年間所定労働日数×1日の所定労働時間
●日給の場合
 日給額÷1日の所定労働時間
出来高制その他の請負制によって定められた賃金の場合
 賃金の総額÷賃金計算期間の総労働時間数

順番3 働いている会社の所在地の最低賃金と比較する。
「順番2」で算出した時給と、ご自身が働いている会社のある都道府県の最低賃金とを比較してください。
なお、派遣の方は派遣先の事業の事業場の都道府県の最低賃金が適用されます。
※働き方や心身の状態によっては、「最低賃金の減額の特例」を受けている場合があります。その場合は、賃金額が最低賃金を下回っていても違法とならない可能性があります。

いまの給与では最低賃金以上であっても、最低賃金が増額された場合には、給与が新しい最低賃金以下になる可能性がございます
最低賃金は毎年10月頃に改正します。前述したとおり、2014年度も増額となる予定です。
そのタイミングで、ご自身に支払われている賃金が最低賃金額以上となっているか確認してみてください。

また、ご自身の賃金が最低賃金を下回った場合、最低賃金額に満たない部分を会社に請求することができます。まずは、最低賃金を下回っている旨を使用者と話してみることをお勧めします。
使用者と話をしても解決しない場合は、最寄りの労働基準監督署やその他専門家にご相談ください。

当事務所には、残業代請求や未払い賃金その他の会社とのトラブルについて、精通している弁護士がおります。
是非、経験豊富な日比谷ステーション法律事務所へご相談ください。