給与体系のあれやこれや

給与体系の種類に、「月給制」「日給制」「時給制」年俸制があることをお聞きになったことがある方は多いと思いますが、その他にも「月給日給制」「日給月給制」「日給時給制」などという給与体系があることはご存知でしょうか。
実は労働法にはこのような用語の明確な規定はありません。
今回はこれらの給与体系の違いについてお伝えしていきますが、あくまで「一般論」として記載していきます

■月給制
 通常は完全月額固定給を指し、「完全月給制」とも言われます。もし欠勤(年次有給休暇を除きます)があった場合でも、「ノーワーク・ノーペイの原則」(働いていない時間分の給料は払わなくても良い)に反して、欠勤分の給与を差し引かない制度です。
 この制度は、例えば、残業代の対象とならない管理職クラスなどで採用されることが多いです。

■月給日給制
 時間外労働手当等の変動する賃金以外の賃金は固定され、月による変動はありません。ただし、欠勤や遅刻・早退すると、「ノーワーク・ノーペイの原則」により、月額賃金から控除される制度です。 一般的にはこれを月給といっていることが多いようで、大抵の会社がこちらの制度を採用しています。

■日給月給制
 「日給」の積み重ねが月の給料日にまとめて支払われる形です。そのため、労働日数の少ない月は他の月より賃金が減少し、労働日数の多い月は賃金が増加することになります。欠勤控除はありませんが、欠勤すると結局労働日数が減少するため、賃金が減少します。

■日給制
 労働時間に関係なく、1日の給料を決めて支払う制度です。1日単位で仕事をする業種に多く採用されます。1日出勤すると決まった給料が得られるため、その日の仕事が早く終わってもその日の給料は同じです。

■日給時給制
 日給制ではありますが、労働時間が規定に満たないと、満たない分は「ノーワーク・ノーペイの原則」により、時間分の給与は控除されます。

■時給制
 1時間を単位として給料の額を定めます。給料日が月1回の場合、「労働時間×時間単価」で計算され、1ヶ月分をまとめて支払うことができます。そのため、「時給月給制」とも言われます。

年俸制
 年の支払総額を決めておき、月に分割して支払う制度です。通常は、年俸の総額を12で割ったものが月毎に支給されますが、例えば、総額を16で割って、年2回のボーナス月に2ヶ月分ずつを支給するなどという場合もあります。

こうやってみると、いろいろな給与体系があることがわかります。
いずれの給与体系を採用した場合でも、就業規則やその他の労働契約書等でしっかりと規定されている必要があります。ご自身の給与体系がどのようなものか不明な場合、または入社時等に説明を受けていない場合は、会社の就業規則を確認されることをお勧めします。

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