朝型勤務で残業代削減!?

企業の長時間労働の改善に向けた取り組みが、活発化してきています。

2015年4月9日の日経新聞によりますと、サトーホールディングスはコアタイムを設けない「完全フレックスタイム制」を始め、月の所定労働時間を守れば1日に働く時間を午前6時〜午後8時の間から自由に決められるようにし、午後8時以降の残業は原則禁じて必要なら早朝に働くことにしました。導入後の昨年12月の総残業時間は例年より3割減ったとのことです。
東京海上日動火災保険も2014年5月から若手・中堅社員を対象に週1回の頻度で午後5時半の退社を求める制度を導入し、コニカミノルタや東ソー(一部職場を除く)はこの4月から午後8時以降の残業を原則禁止としています。

このように、夜の残業を禁止する一方で、早朝に働くことを促す動きも多く見られています
先に記しました東京海上日動火災保険は、2014年11月には業務用端末を使用できる時間を午前8時から30分早めました。東ソーについては、この7月から本名者や支店は午前8時より前、工場では午前7時半より前に出社した場合、通常の時間外勤務手当とは別に30分につき50円支払うことにしています。

こうした動きを加速させるため、政府は朝型勤務で残業代を削減した企業向けの助成金も検討をしています。また、塩崎厚労相経団連日本商工会議所全国中小企業団体中央会に出向き、取り組みを要請するとのことです。

このような長時間労働の改善に向けた全国規模の取り組みは、今後ますます進んでいくと思われます。
この取り組みが功を奏し、過酷な長時間労働サービス残業がなくなることを期待していますが、2014年6月18日のブログ「『早朝仕事』にご用心!」にも記載したとおり、今後、早朝勤務を促す動きが活発化することに伴い、「早朝仕事」を「残業」と認めず、「早朝仕事」には残業代を支払わないという企業が出て来るかもしれません

「残業」とは「時間外勤務」で、「所定労働時間」や「法定労働時間」を超えて働くことを示し、その時間が朝であっても夜であっても、その分だけ時間外手当は出ます。
会社から、「『早朝仕事』だから残業の対象じゃない。」と言われている方がいらっしゃいましたら、その発言は間違いです。一度専門家に相談されることをお勧めします。

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