厚労省「過重労働等撲滅チーム」の具体的対策

長時間労働対策の強化は労働基準行政の中で最重要テーマの一つで、今年の9月30日には、厚生労働大臣を本部長とする長時間労働削減推進本部」が設置されました。
この「長時間労働削減推進本部」には、次の3つのチームがあり、それぞれが具体的な対策の検討を行っています。

Ⅰ.過重労働等撲滅チーム
 (1)長時間労働削減の徹底に向けた重点監督の実施
 (2)相談体制の強化
 (3)労使団体への要請
 (4)過労死等の防止に向けた取組
Ⅱ.働き方改革・休暇取得促進チーム
 (1)本省幹部による企業経営陣への働きかけ
 (2)地方自治体との協働による地域レベルでの年次有給休暇の取得促進
 (3)切れ目のない年次有給休暇取得促進
Ⅲ.省内長時間労働削減推進チーム
 (1)長時間労働に係る負担軽減方策について
 (2)早期退庁・休暇取得促進方策について
 (3)早期退庁後や休暇の有効な活用事例について

今回は、「1.過重労働等撲滅チーム」の平成27年1月からの取組ついてご紹介します。

1.月100時間超の残業が行われている事業場等に対する監督指導の徹底
 「時間外労働時間数が1ヶ月100時間を超えていると考えられる事業場」や「長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場」を対象に、労働基準監督署による監督指導(立入調査)を徹底し、監督の結果、違反・問題等が認められた事業場に対しては、是正勧告書等を交付し、指導をする。法違反を是正しない事業場は、送検も視野に入れて対応する。(送検した場合には企業名等を公表する。)

2.インターネットによる情報監視
 本省がインターネット上の求人情報等を監視し収集し、その情報(※)を労働基準監督署による監督指導等に活用する。
(※)高収入を謳うもの、求人を繰り返し行うもの等の過重労働等が疑われる求人事案に着目し、本省が収集した過重労働等の労働条件に問題があると考えられる事業場に係るもの

3.メンタルヘルス対策の強化
 メンタルヘルスの一層の向上を目指し、都道府県労働局において以下の取組を実施
 (1)ストレスチェック制度の周知(改正労働安全衛生法により平成27年12月から施行)
 (2)ストレスチェック及び面接指導等を行う医師、保健師等に対する研修平成27年度からの実施に向けて、平成27年1月から準備)

上記の具体的対策によりますと、年明けから長時間労働についての労働基準監督署の監督指導が強化されます。
現在、長時間労働に苦しんでいる方にとって、この対策が救いの一手となることを期待します。

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