36協定の限度時間を超えて残業させ、書類送検に。

平成26年12月22日号の労働新聞によりますと、和歌山労働基準監督署は、労使協定で定めた限度時間を超えて労働者に残業をさせたとして、和歌山市内の金属加工会社と同社代表取締役労働基準法32条違反の容疑で書類送検しました
和歌山労基署によりますと、昨年10月1日から12月17日までの間、和歌山市内の45歳の男性に対し、労使協定で定めた3ヶ月間で110時間という限度時間を超える222時間20分の時間外労働をさせたとしています。
なお、こちらの男性は昨年12月17日に脳出血を発症し、労災保険を申請しています。同労基署は、その中で長時間の時間外労働を確認したとしています。

こちらで言われている「労使協定」とは、いわゆる「36協定」と呼ばれるものです。
事業主が、労働者を法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合、または法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には、あらかじめ労使で書面による協定(36協定)を締結し、これを労働基準監督署に届け出ることが必要です。
労働基準法では、「1日8時間、1週間40時間を超える労働をさせてはいけない」と定められていて、定められた時間を超えて労働をさせることは、労働基準法に違反することとなります。違反した場合には、「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金」という罰則もありますが、36協定を締結し届出をすることで、労基法違反の刑事責任を免責されることになります

今回の金属加工会社は届出はしていたのですが、そこで定めている限度時間を大きく超えているということで、書類送検されました。
つまり、いくら36協定を結んでいても、決められた限度以上に残業をさせることは労働基準法違反となるというわけです。

皆さんの職場では、36協定は締結され、届出をされていますか?
36協定では、限度時間を何時間と定めていますか?
ご自身の残業時間は、36協定の限度時間等を超えていませんか?

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