「労災隠し」で書類送検。

2014年12月9日のテレビ岩手によりますと、盛岡市内の工場現場で、男性が作業中にケガをしたにもかかわらず、別の場所でケガをしたように虚偽の報告をしたとして、盛岡労働基準監督署は9日、岩手県二戸市にある工務店と社長ら3人を安全衛生法違反の疑いで、盛岡地方検察庁書類送検しました。
この工務店は今年5月に盛岡市内の工場現場で作業員が大ケガをした際、元請会社に迷惑がかかると考え、他の下請け会社と共謀して、別の場所でケガをしたことにしてうその報告書を提出した、いわゆる「労災隠し」の疑いが持たれているとのことです。

「労災隠し」とは、どういったものでしょうか。
会社は、労働安全衛生法において、労働災害が発生した場合は所轄労働基準監督署へ報告書を提出しなければならない、と定められていますが、それを行わないことを「労災隠し」と言います。
また、労災保険の認定の可否を決めるのは労働基準監督署になるのですが、会社が勝手な判断で報告を怠った場合も「労災隠し」となる可能性があります。

それでは、なぜ会社は「労災隠し」をするのでしょうか。
会社には労働者の安全に配慮する義務があるので、事故ばかり起こしていると親会社や世間から社会的な責任を問われたり、元請け会社から取引を減らされたりする可能性があります。そのことを恐れて「労災隠し」をしてしまうというのはよくあるパターンです。
また、会社によっては労災保険に加入していない、労働者の人数をごまかして加入している、という場合もあります。労災を申請するとその事実が発覚する恐れがありますので、「労災隠し」をしてしまうということもあります。

「労災隠し」は犯罪です。
業務上でケガをしてしまっても会社が労災を認めない時は、労働基準監督署に相談をしてみてください。

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