「営業手当」と残業代 〜シリーズ 改めて「残業代請求」3〜

年俸制」・「管理監督者」に続き、「残業代が発生しない」と思われがちなケースは、毎月の給与の中に「営業手当」が含まれているケースです。

「営業手当」が「固定残業代」という位置づけで、固定残業制が認められるための要件を満たしている場合は、「営業手当」(つまり「固定残業代」)が包括している時間分は「残業代は支払済み」という扱いとなることもありますが、そうでない場合は、例え「営業手当」が毎月の給与で支払われていたとしても、残業をした場合は残業代が発生する可能性が非常に高いです。

固定残業制が認められるための要件は、何度かブログでも紹介させていただきましたが、ここで改めて確認のため、再度記載いたします。

1.就業規則および労働条件通知書(労働契約書)において、賃金の中に時間外割増賃金が含まれていることが明確にされていること。
2.賃金に含まれる時間外割増賃金の部分が明確に区分され、示されていること。
(例えば給与明細等で、時間外割増賃金が、賃金の中で「いくら」で「何時間分の残業代」かが明確に区分され、示されていること。)
3.固定残業制によってまかなわれる残業時間数を超えて残業が行われた場合、別途残業代の精算をすること。
4.実際の残業時間が固定残業分に満たない場合でも、賃金控除が行われないこと。

現在支払われている「営業手当」は上記4つの要件に当てはまっているでしょうか。
当てはまっていない場合は、残業代が発生する可能性が高いです。
いま一度、労働契約者や給与明細等をご確認ください。

同じく営業をされていて、「うちは『みなし労働』だから、残業代は発生しない。」と言われている方も多いのではないかと思います。
次回は、その「みなし労働」の場合は本当に残業代が発生しないのか、ということについて、記載していく予定です。

当事務所には、残業代請求や不当解雇その他の会社とのトラブルについて、精通している弁護士がおります。
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