労基署の定期監督等における色々なトップ3in東京!

平成25年に東京労働局及び管下18労働基準監督署(支署)が実施した定期監督その他各種の情報、労働災害報告、過去の監督指導結果等を契機として労働基準監督官が事業場に対して実施する立入検査等の結果について、東京労働局が取りまとめました。
実施検数は、9,304件で前年と比べ3.8%増加(340件増)しています。

今回のブログでは、取りまとめ結果の詳細を順位別に紹介していきます。

A.実施件数の業種別トップ3
 1位:建設業(建築工事現場等)  2,951件
 2位:商業(小売店等) 1,805件
 3位:その他の事業(本社機能を有する事務所等) 914件

建設業が2位以下に大きく差をつけての1位となっています。
建設業は他の業種には見られないような墜落災害、重機との接触災害など、いったん災害が発生すると死亡等重篤な災害が起こりうるということが特徴のため、労基署では毎年2回、墜落・転落防止などを重点に全署一斉に監督を実施しているそうです。

B.違反内容トップ3(全体の違反事業場数6,612件)
 1位:労働時間  2,623件
 2位:割増賃金  2,047件
 3位:労働条件明示 1,473件

1位の「労働時間に関するもの」の法違反は、定期監督等を実施した事業場の28.1%で、つまり4分の1事業場で当該法違反が認められた結果となっています。1位と2位は共に、適切な労働時間管理を行っていなかった結果、適正な割増賃金が支払われていなかったものが多く認められたとされています。

C.違反率トップ3(全体の違反率は71.1% 「違反事業場÷実施検数」)
 1位:接客娯楽業(飲食店・旅館業等)  79.5%
 2位:映画・演劇業、保健衛生業(社会福祉施設・病院等)  78.2%
 3位:商業(小売店等)  75.6%

1位の接客娯楽業については、小規模事業場が多く、労働基準関係法令を知らないことが原因で違反となっていたという事例が多く認められたとされています。

また、東京労働局によりますと、平成25年度(平成25年4月から平成26年3月まで)において、東京労働局と管下18労働基準監督署(支署)は合計58件の司法事件を東京地方検察庁へ送検したそうです。送検事例としては、賃金の未払いや割増賃金の未払い、危険防止措置義務違反、労災かくし等があがっています。
なお、「労災かくし」とは、労働災害の発生時にその発生事実を隠蔽するため、休業4日以上の労災が発生した場合にはその都度遅滞なく所轄の労基署に「労働者死傷病報告」を提出しなければいけないところ、 その報告書を提出しない、または虚偽の内容を記載して提出するというものです。
ちなみに、これらの送検58件の内27件は、被害労働者等からの告訴・告発によるものだそうです。

労働局は、「今後とも、労働条件をめぐる問題点を的確に把握しつつ、効果的な監督指導を実施するとともに、法令違反を繰り返すなど悪質な事業主については、司法処分に付すなど源泉に対処することとしています。」と指導方針を揚げています。

上記に挙げました違反内容等、皆さんの職場ではいかがでしょうか。いま一度確認をしてみてください。

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