「残業代ゼロ法案」を考える 6 〜 「賛成派」の意見 〜

前回は、「残業代ゼロ法案」の導入について反対派の意見を書きましたが、今回は賛成派の意見をご紹介します。

前回同様、新聞やインターネット上の賛成派の意見は、大きく次の2つに分けられるよう見受けられます。

1.労働生産性の向上
 この政策の導入により、古くから日本社会にある「残業 = 仕事を頑張っている人、出来る人」という概念が似合わなくなるため、例えば「何時間かかってでもこの仕事を仕上げよう」という考え方から「この時間までにこの仕事を仕上げなければいけない!」という考え方になり、仕事の効率化を意識するようになります。
 また、残業自体を規制されなくなるので、職場が強制的に閉鎖されたり、残業をするために上司に許可をとったりすることがなくなります。そのため、「ここは頑張りたい」と思ったときには気兼ねなく残業が出来ることになります。
 更に、国際的な業務に携わる社員にとってはリアルタイムのコミュニーケーションに対応した働き方がしやすくなるため、更なる業務の効率化をはかれます。

2.労働者の拡大
 労働時間に規制がなくなることで、自分で労働時間を決めることができます。また、短時間の勤務であったとしても、そのことで給与や昇進に影響が出るということがなくなります。そうなると、子育てや介護のため労働時間を柔軟に決めたい女性や、長時間労働を敬遠する高齢者など、全員が社会に参加出来るようになりますし、生産性が高くて仕事が早く終わる働き手がより力を発揮できるようになります。
 このように、労働する人の数が増えることで、日本経済の発展にも繋がっていきます。

賛成派の意見を見ていると、この政策を施行することで、労働者がプライベートを大事にしながら効率良く自由に働くことができ、そのことが経済の発展にもつながるので、この政策は施行した方が良いと思われます。

前回と今回で、反対・賛成それぞれの意見をかいつまんで紹介しました。
最終回の次回は、今までの内容をもとに、「残業代ゼロ法案」をどう捉えていけば良いかのまとめを書いていきたいと思います。