「求人票と事実が違います・・・。」ハローワークに苦情7,700件!

平成26年3月20日厚生労働省の発表によりますと、厚労省が2012年度の1年間に全国のハローワークに寄せられた苦情を調べたところ、件数は7,783件に上りました
これを受け、厚労省は3月24日から「ハローワーク求人ホットライン」という常設の相談電話を設置し、改善に乗り出しました。

苦情の内容で最も多いのは、「求人票に比べて実際の給料が低い」などの「賃金」関係で、全体の約4分の1を占める2,031件でした。続いて「労働時間」が1,405件、「選考方法」が1,030件ありました。

なぜ実態と異なる求人票が出回ってしまうのでしょうか。
労働基準法第15条には労働条件の明示が定められていますが、ここでいう「労働条件の明示」は労働者個々人に対して書面で明示される労働条件のことです。ハローワークに掲載される求人票はあくまで募集の際に提示する労働条件の目安であり、労働基準法第15条が定める労働条件の明示には該当しないと考えられます。
しかしながら、現実の採用の現場では必ずしも労働条件の明示が行われていないという実態があります。そのため、求人票トラブルが多く発生しているのだと考えられます。

このブログの「『求人内容』と条件が違う!?労働契約の締結前に、労働条件の確認を!〜 シリーズ 入社時の注意事項1 〜」(2014年3月25日)に明示すべき労働条件の詳細を記載していますが、労働条件の明示は使用者の義務です
ハローワークの求人票で労働条件の内容を確認していても、実際の採用の場で再度必ず確認するようにしてください。
また、同じく労働基準法第15条には、「明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。」と規定しています。さらに「(労働契約を解除した場合)就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。」とも規定しています。また、この「必要な旅費」とは、労働者本人のみならず、就業のため移転した家族の旅費も含んでいます。

現在働いている皆さんは、入社の際に労働条件は明示されましたでしょうか。また、明示された労働条件と実際の労働状況と大きな違いはありませんでしょうか。

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