「試用期間中だから。」と即日解雇をさせられた!

新卒であっても中途採用であっても、社員を採用した場合に「試用期間」を設けている事業所は多くあります。
「試用期間」とは簡単に言うと、「雇用後の一定期間、能力や適正を見極めるために設定される期間」ですが、事業主と従業員との間で労働契約は結ばれているので、試用期間中であっても「客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当であると認められない場合」でないと解雇はできません。ただ、試用期間中の解雇は、通常の解雇と比較して解雇事由が広い範囲になっています。

判例では、次のような事由が本採用拒否(試用期間中の解雇)の正当な事由とされました。

1.出勤率不良として、出勤率が90%に満たない場合や3回以上無断欠勤した場合
2.勤務態度や接客態度が悪く、上司から注意を受けても改善されなかった場合
3.協調性を欠く言動から、従業員としての不適格性がうかがえる場合
4.経歴詐称

試用期間は教育や指導をする期間でもあるので、上記のような不適格事由があったとしても、いきなりの解雇は認められず、その期間中にどのような教育・指導をしたかがポイントになります。

また、解雇をする場合、試用期間開始後14日以内であれば事業主は解雇予告や解雇予告手当を支払う必要はありませんが、14日を経過している場合、事業主は通常の解雇と同様に解雇の1ヶ月前に解雇予告を行うか、1ヶ月分の解雇予告手当を支払わなければなりません。
例えば、事業主側が試用期間を6ヶ月間と設けていても、採用してから14日が経過をしていたら、試用期間中での解雇であっても解雇予告をせずに即日解雇をした場合は、法律違反となります。

適用事業所の場合は、試用期間中でも労災保険雇用保険社会保険について、それぞれ加入基準を満たしていれば加入しなければなりません。本採用後ではなく、採用当初からの加入が必要となります。
こちらについても、一度ご確認ください。

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