「会社に退職を認めてもらえません。」

先日から立て続けに「会社を辞めたいのに会社が認めてくれない。どうすれば良いか。」というような相談をいただいています。

2014年10月9日のブログ、 「退職時のトラブル!?」にも簡単にも記載しましたが、今回はこの件についてもう少し詳しく記載していきます。

労働者から会社に「辞職」を申し出る場合、期間の定めのない労働契約を結んでいる労働者ですと、法律上、原則として2週間前に申し出ればよく、事業主の承諾を要しないものとされています。
就業規則に手続が定められている場合には注意が必要ですが、例えば、退職届を出したにもかかわらず会社がこれを受理せずに「一方的な退職は許されない!」と言ってきたとしても、事業主の承諾は不要ですし、辞める理由も特に必要ありません

会社が退職を認めない姿勢をとっている場合、「このまま強行に辞めたら、会社が離職票を発行してくれないかもしれない。」と心配される方も多いと思います。
この点については、労働者本人がハローワークに行って「確認の請求」を行うことで、ハローワークの方で離職票を発行してくれますので、ご安心ください。
「確認の請求」とは、労働者ご本人がその事業所で雇用保険の被保険者となったことや、被保険者でなくなったことを確認することを言います。これは、労働者ご本人が事業所の管轄のハローワークに対し、文書又は口頭で行います。ハローワークで、そのご本人が被保険者であったことの確認がなされますと、ご本人の請求により離職票を交付することになります。

とは言え、やはりなるべくなら円満に辞めたいため、会社に辞める旨をきちんとお話し、「退職願」または「退職届」を受理してもらうことが一番です。
それでも会社が拒んだ場合は、「退職の意志はしっかり会社に伝えた」と証拠を残すためにも、所定の期日を守った上で、改めて「退職届」を内容証明で送るということをお勧めします。この内容証明は、退職を証明する良い証拠になりますので、内容証明を送る場合は写しをとっておくと良いと思います。

なお、離職票を交付することは事業主の義務です。交付の拒否は雇用保険法第76条(報告等)に違反することになり、同法第83条の罰則が適応されることとなります(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)。

当事務所には、残業代請求や不当解雇その他の会社とのトラブルについて、精通している弁護士がおります。
是非、経験豊富な日比谷ステーション法律事務所へご相談ください。