女子高生の「体臭」を嗅がせて「労基法違反」!?

先日、18歳未満の女子高生に個室で男性客に対して体臭を嗅がせるなどさせていたとして、警視庁少年育成課は労働基準法違反容疑で、通称「JKコミュニティー」店の経営者と同店の元店長を逮捕しました。
このニュースが話題になった際に、「これって、『労基法違反』になるの??」と数名の方から質問をいただきました。
確かに、体に危害を及ぼすような行為をさせてわけではなく「臭い」を嗅がせただけで、なぜ「労基法違反」になるのか、と疑問に思われる方が多いと思います。
今回の事件ですが、働かせていたのが18歳未満の女子高生ということが問題でした。

労働基準法では、18歳未満の者について、就業に際しての安全・衛生上特別の保護規定(危険有害業務への就業制限)を置いています。

労働基準法第62条〕
1.使用者は、満18歳に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付けもしくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。
2.使用者は、満18歳に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、もしくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所に置ける業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない
3.前項に規定する業務の範囲は、厚生労働省令で定める。

労基法第62条の1項と2項に記載した業務の具体的な内容として、年少者労働基準規則第7条と8条に様々な業務が挙げられています。様々な業務の中で年少者労働基準規則第8条45号では、年少者にとって福祉上有害な業務として「特殊の遊興的接客業における業務」を挙げて禁止しています。
「特殊の遊興的接客業における業務」とは、バー、キャバクラ、クラブ等における接客業務を指すものとされています。また、客に性的な快楽を与えることを目的とする接客もこれに含まれます

今回摘発された「JKコミュニティー」も「特殊の遊興的接客業における業務」に該当するとして、労働基準法違反で逮捕されたと考えられます

アルバイトをしている高校生は多いと思いますが、そのお仕事が労働基準法が禁止している業務に該当していないか、一度確認をしてみてください。

当事務所には、残業代請求や不当解雇その他の会社とのトラブルについて、精通している弁護士がおります。
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