セクハラで1300万円!

2015年1月20日産経新聞によりますと、かつら製造・販売の最大手「アデランス」の元従業員の女性が、同社の店長だった男性従業員から繰り返しセクハラを受けて心的外傷後ストレス障害PTSD)を発症し退職を余儀なくされたとして約2,700万円の損害賠償を求めていた訴訟について、昨年11月28日に同社が女性に解決金1,300万円を支払う内容で和解していたことがわかりました。

訴えによりますと、女性が勤務していた平成20年3月、他店舗の店長だった男性従業員が指導目的で来店し、「数字を達成できなかったら彼女になるか、研修もしくは転勤だ」と脅すなどし、無理やりキスをしようとしたり、体を触ったりするセクハラを繰り返したとのことです。
この件で女性は精神的に不安定になり休職し、PTSDと診断されました。同社は女性をいったん特別休暇扱いとしましたが、その後に給与の支払いを停止し、女性は退職しました。

こちらの記事によりますと、1,300万円という和解額はかなり高額とのことです。また、セクハラについては地元の労働基準監督署が労災認定し、休業補償給付などの支給を決定しているそうです。

セクハラについては、事業主に対して事業所の規模や職場の状況に関係なく、セクハラの防止や対策に関する体制設備など具体的な措置を講じることを義務づけられています。(詳細は、当ブログの11月25日の記事「パワハラ・セクハラ・・・我慢しないでください。」に記載しています。)
セクハラの予防や対応は事業主の努めですが、事業主だけの責任ではなく、セクハラをした本人に責任があることは明確です。今回の事件でも、訴訟記録などによると、「アデランス」は解決金の半額650万円については男性従業員に負担を求めるほか、男性従業員の在職期間中、原告が居住する地域を勤務地や出張先にしないよう努めるなどとする内容とのことです。

「セクハラとは何か」を意識しないと、気がつかない内にセクハラを行ってしまっている可能性があります。セクハラを受けた側の心の痛みは大きいです。セクハラについて、再度意識して考えてみてください。
また、セクハラを受けた場合は、抱え込まずにすぐに担当窓口へ相談してください。我慢を続けていると、心の回復にも時間がかかってしまいます。会社が相談に応じない場合は、労働基準監督署に相談することをお勧めします。

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